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ネガティブワードの恐怖体験

先日職員会議で、利用者様からネガティブワードは使わないで欲しいというご要望があったという話題があがりました。 「ネガティブワードって具体的にどういう事?」と聞くと、ある医療者がよく言う「ちょっとチクっとしますよー」「少し苦しいけど我慢してください」「ギュッと閉まりますよ」 などなどだそうです。 そんな事を言われると身構えて気分が悪くなるとのこと。「へーなるほど。つい言ってしまいそうな言葉だね。気をつけようね。」と言いながらも、なんだかかわいいなと半分くすっと笑ってしまいました。

 

その時はネガティブワードの本当の怖さを私は知らなかったのです。クスッと笑った罰かどうかはわかりませんが、数日後に身をもってネガティブワードに苦しめられるという体験談をお話ししたいと思います。

 

ある日の日中に急に体調異変を感じる出来事がありました。その場は大事に至らなかったのですが、念の為次の日に受診をしました。普段利用している病院がお休みだったので、他の病院を紹介してもらって行ったところ、結構古くからある病院のようですが小綺麗な感じで趣きがありました。呼ばれて診察室に入ると、70は越えているであろうよく言えばベテラン先生。助手のような看護師さんも同じく。そこまでは何ら不安は感じていませんでした。昨日の症状をお話しすると、医師 が私の顔色等を見てから

 

「貧血はなさそうね」 「じゃあ診察台に上がって」 「はい、ちょっとチクっとしますよ~」 「ちょっと痛いけど我慢してね」 「ちょっと痛いかな?はい、もう少し頑張って」 「ちょっと頑張ってね」
まさにネガティブワードのオンパレード!あらあら大した痛みもないんだけど、だんだん気分が悪くなってきた。○○さんの気持ちわかるわ~。こういうことなのね。と必死に気を紛らわそうとしていた矢先にとどめの一撃。

 

医師「うーん、○○は悪くないようだな。○○の疑いもあるから検査しといたほうがいいね。」 今まで検査しなかったの?もう手遅れかもよぐらいな言い様をブツブツと…(少なくとも私にはそう聞こえた。)

 

私( ̄◇ ̄;)その病名は言われたくないなー。そんなにサラリと言わないでほしいなぁ。なんか吐きそうな気分。その検査確か結構痛いんじゃない?やばい…。なんか気持ち悪い。

 

医師「ちょっと痛い検査になるけどやっちゃいましょうね」「痛いけどやっといたほうがいいからね」

……チーン。ダメだ。

 

私 「先生…ちょっと…気分が悪いです…」

医師「えっ?気分悪い?気分悪いの?血圧測ってみて」

看護師「はい、ギュッ!と閉まりますよ」(まだまだネガティブワードは続きます…)「血圧82/62 脈42です」

医師「えっ?42?えっ?脈42なの?」「こりゃだめだ。検査なんかやってる場合じゃない。」「点滴やってから帰って」 フラフラになりながら場所を移され「痛いけどここに刺すね。えいっ!あっ!だめだ」「じゃあ、ここから、ちょっとチクっとしますよ。あら!ここもダメか、いい血管じゃないね~」 (ネガティブワード炸裂)

 

私 「先生…少し寝てたら良くなると思うので点滴しなくても大丈夫だと思います。」 (心の声「具合が悪いのは先生のネガティブワードのせいです。私は身心ともにネガティブワードにやられたのです」)

 

途中で倒れたら大変だからと説得され、3度目の正直で点滴針も無事に入り、点滴が終わるまでの1時間ギュッと締まったままの血圧計を巻かれたまま放置。少しウトウトしていた隙に皆さんお昼休憩に行かれたようで、返事がないことを100も承知で 「すみませーん。すみませーん。」とガランとした診察室に虚しい声を響かせてみました。

 

元気な時には引っかからないちょっとした言葉も、弱っているときや不安がある時にネガティブワードを使われると徐脈を引き起こす程の脅威となるとは、恐るべし。これぞ身をもって体験した貴重な経験でした。 言葉の選択って重要ですね。ある本にはどんな状況でもポジティブワードを使うことで状況は改善すると書いてあります。

 

具合が悪そうには見えていなかった方が急に気分が悪くなり、バイタルサインの数値が落ちた時はあなたのネガティブワードが原因かもしれませんよ。 気をつけましょうね~。

 

C.

公開日 : 2015-4-8 ホートンブログ

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