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りえこ新聞 3rd Life~私はお母さん~ 20号

「りえこ新聞」のコンセプト☆彡

ALSを発症したことをきっかけに発行している「りえこ新聞」ですが、一応きちんとしたコンセプトがあります。

それは「病気のことで大変なこと・辛いことについては書かない」ということです。

ネガティブなことを文字にして綴ってみてもそこには何も残らない、せっかく読んで下さる人がいるのだからマイナスよりプラスの波動を受け取って欲しい!私はそう思っています。

「病気になると大変なんだ・・・」ではなく「病気があっても人生楽しめるんだ!」と思われてこその「りえこ新聞」なのです (^_^)/

ヒューマンウォッチング

私がOLから福祉の専門職を目指すことになった最大のきっかけは、地下鉄の中吊り広告で見た乙武洋匡さんの「五体不満足」の帯に書かれていた

「障害は不便です。だけど不幸ではありません。ヘレン・ケラー」

という言葉でした。

これを見たとき、私自身が障害者と言われる立場になってから感じていた思いの全てが詰まっているように感じ、かなりの衝撃をうけました。

私も自分の体験を無駄にはできない!と、張り切って会社をポジティブ退社したのですが、今回の入院であの時と同じ衝撃を受けることになりました。

私は4人部屋に入院していたのですが、私以外の3人は80代のご老人でした。

耳が遠く少し認知症の症状もあるようでしたが、みなさんとてもかわいいおばあちゃん達でした。

3週間弱を病院で過ごしていると、私を含めて介護する側とされる側のいろんな面が見えてきます。

中でも一番感じたのは、いまの介護には日常的に「介護される側の我慢」があるのではないだろうか!?

との思いで、「本当にそれでいいのかな?」という疑問が日に日に大きくなっていきました。

私は介護をされる側の経験しかないので、その立場の人の業務的な忙しさだとか人手の少なさ、ましてや医学的な処置についてはさっぱりわかりません。

でも私が気になったのはそういうことではなく、すごく単純なことでした。

「あなたならその姿勢で食事ができますか?」

「あなたはその態勢から立ち上がることができますか?」

「あなたがそんな風に言われたらどう感じますか?」

「もし自分なら・・」と相手の立場で介護ができる人は思いのほか少なく、おばあちゃん達への介護を見かねて3回もナースコールを押してしまいました。(ある意味イヤな患者です。^^;)

もちろん中には患者の側に寄り添った介護をしてくれる素敵な看護師さんもいます。

なので私的にナースコールはくじ引きと同じで、来てくれた看護師さんを見て心の中で「当り!」「はずれ・・」とつぶやいていました。

でもあるとき、これは介護する側が「健康」ゆえ「気づけない」ことに原因があるのかもしれないとの思いに至りました。

私が看護師さんにトイレをお願いすると100%部屋から一番近い車イス用トイレに連れて行かれます。

しかしそこは呼出やウォシュレットのボタンが全て左側にあり、左マヒの私には使いづらく、ボタンが右にある別のトイレに行ってもらえるようお願いするのですが、みな一様に不思議そうな顔をします。

理由を説明すると

「えっ!ボタンの位置違うの? 全然知らんかった!」と声をそろえて言います。

伝えることで気づいてもらえる、その気づきをさらに伝えていく、そんな人のつながりで「介護」と「解互=互いを理解しあえるサポート」の両立が実現できれば素敵だな。

その夢を実現するために起業できないかな。

そのためには3人のおばあちゃんに気付かせてもらえた私もいろいろ勉強しなくちゃいけないな。

などなど、今回の入院でさまざまな考えが湧いてきました。

以前、こうちゃんに「ママは病気になるようなこと何かしたの?」と聞かれたことがありましたが、きっと私は「何かをしたから病気になったのではなく。何かをするために病気になった。」と思っています

プロロー

今年に入り、食べ物の飲みこみが悪くなり十分な栄養をとれず、少しずつ痩せていっていました。

そこで8月末から19日間入院して「胃ろう」を造設することにしました。

ALSの発症当初から「延命治療は望まない」と主張していた私は、胃ろうも延命治療の1つと拒否していたのですが、ある時ふと「ココはやっておいた方がいいかも?!」という直感が走りました。

それからの行動は素早く、自宅近くで処置できる病院を探し、紹介状を書いてもらい初診を受け、その翌日に入院し、さらに翌日には胃ろうの造設を完了させ、そして「りえこ新聞」の発行に差し障りのないときに退院してきました。

この絶妙なタイミングを考えると、やはり私には新聞を発行する使命があるのだと思っています (^_-)-☆

人にはそれぞれ様々な価値観があるので一概に言えませんが、私の場合『胃ろう=延命』という発想は、少しオーバーだったかな?と感じています。

現在は朝と昼は胃ろうから栄養補給、夕食はこうちゃんと一緒に食べるようにしています。

母や主人には栄養を注入してもらうことで負担をかけてしまっていますが、協力してくれる家族に心から感謝しつつ、介護保険をフル活用して家族介護の負担を軽減するケアプランを作成したいと思います。

ちなみにこれは決してネガティブな報告ではありません!

「りえこ新聞」のコンセプトとあわせ『新たな一歩を踏み出したな!』というスタンスで読んでいただけると幸いです。

~旦那後期~

こうちゃんと一緒に妻のお見舞いにいき、お昼を食べに病院近くのうどん屋さんに入ると、こうちゃんが「自分の分は自分で注文する!」と言い出しました。

お兄ちゃんになってきたなぁ、などと思いつつ「言ってごらん」と言うと、注文を取りにきた店員さんに「あんな、こうちゃんこどもやからランチのセットじゃなくてざるうどん単品で、量は少しすくなめでお願いします」と告げました。

ちょっと前まで恥ずかしがり屋だった5歳児のいきなりの成長に驚愕した父でした。

公開日 : 2012-12-25 りえこ日記

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