私には２つ年上の姉がいます。その姉には学習障害があります。
学習障害とは全般的な知能発達に遅れはないものの「聞く・話す・読む・計算する・推論する」といった学習に必要な基礎能力が発達せず、学習上で様々な困難に直面するといった障害です。姉は特殊学級に行くほどではなく、いわゆるグレーゾーンに属していましたが、それでも学校では浮いてしまう存在でした。そんな姉のことを昔はとても疎ましく思っていました。
また姉には盗み癖がありました。発達障害や学習障害がある人の中には、こういった症状が見られることがあるようです。私の父は自営業だったので財布の中にはある程度の大金を入れていたのですが、姉はそれを全部取ってしまうのです。普通なら「１万や２万ならばれないだろう」と考えると思うのですが、そこに考えが及ばないのです。それが障害たる所以なのだろうといまは思うのですが、たびたび家族内で問題を起こす姉が煩わしく、当時はきつく当たっていたと思います。
そんな姉に対する思いが変わってきたのは、弟に子どもができてからです。私には２人の弟がいて、それぞれに２人ずつ子どもがいます。その甥と姪たちが、なぜかすごく姉に懐くのです。もちろん倖大もすごく姉には懐いていました。そんな姿を見ていると「姉には子どもでないと感じ取れない良いところがあるのかも」と思い、姉に対する思いが徐々に解けていったように感じます。
そんな姉ですが、いまは大阪で母と２人で暮らしており、ホテルの清掃スタッフとして頑張っています。母から聞くところによると毎日楽しそうに出勤しているとのこと。色々あるとは思いますが、姉が毎日楽しく過ごせているようで安心しました。
ちなみに毎日を楽しく過ごすことが周囲の人たちを安心させ幸せな気分にさせるのならば、私はきっと周囲の人たちをかなり幸せにしているであろうことに気づきました。
神さま、こんな私に高額当選をお願いいたします。
2024.5.15 Rieko
