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見る人18 〜 M’s日記 「理想と現実」

最近涼しくなってきている。好きな服のブランドがコートを店舗に出し始めた。買いたいなと思いつつも、最近忙しくてショッピングができない。もう少し頑張って一段落したら、友人を誘って買い物に行きたいなとこの頃思う。

私は卒業研究で路上生活者支援について執筆している。 執筆にあたって路上で生活されている方のための食事作りや炊き出し(配食)、夜回り(路上生活を脱するための方法が書かれたパンフレットやおにぎり・パンを配る。)を経験した。貧困関連の本は何冊か読んでいて、福祉事務所の水際作戦(生活保護に申請しに来た人に、何らか理由を付けて受給させないこと)や路上生活の大変さをなんとなく分かっているつもりになっていた。

そんな時に読んだのが、『ハウジングファースト 住まいからはじまる支援の可能性』だ。この本には路上生活者のための新たな支援方法の提案、既存の支援方法の問題点などが書かれており、路上生活者支援について知りたい人には必読の書だと思われる。路上生活者を施設や病院に押し込めるのではなく、地域の中で暮らしていけるように、アパートを用意し、1人1人の抱える問題に寄り添いながら支援する方法について書かれている。このような画期的な支援方法があるなら、今後の路上生活者支援は良い方向に向かうんだろうなと短絡的に考えていた。

後日現場に向かった。公園に大勢の路上生活者が並んでいた。皆、今か今かと配食を待っている。無料で服を配っているブースでは時々取り合いが起きている。固いアスファルトの上で高齢のおじいさんが寝ている。明らかに支援が必要そうな人でも支援を拒否されたら支援を提供できない。

なんで?
本に書かれた支援方法が使えないの?
本にあった支援方法は有効だと思い込んで現場に足を運んだ。しかし、現場は私をどん底に突き落とした。支援方法があっても救えないなんて考えてもいなかった。

夜回りの際に、明らかに支援が必要そうな、足腰がふらふらとしていて、ぼろぼろのかばんを提げて歩いていたおじいさんがどこかへ向かっていく後ろ姿はとても悲しかった。その日もきっと固いコンクリートの上にダンボール敷いて寝たのかもしれない。何もできなかった。できたのは100円のスティックパンを渡したことだけだった。パン1つでは、一時的な空腹を和らげるしかできない。必要なのは屋根があって、安心して過ごせる家のはず。

路上生活者支援に興味を持ったことでいろいろなことに気付いた。まだ言語化できないような気持ちや実際に見聞きしたことを、少しずつ多くの人に伝えていきたいと考えている。大学卒業後も時々ボランティアといった形で関わっていきたい。

本を読むのは悪いことではないが、分かった気になっているだけだった。鵜呑みにするだけでは深く理解できない。きちんと現場の状況を知らなくてはいけない。

やはり見てみないと分からないものはあるのだな。行動することをこれからも大事にしたい。

H30.10.31.

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